わが町2005年11月11日 21時25分55秒

「生きているうちに人生の素晴らしさを、その一分、一秒を認めた人って……一人でもいたかしら?」

「いないね。聖者とか詩人なら、あるいはね。」

……

「人間なんてみんなそう、何も見えてはいないんですわ。」

……

「ねえ、人生ってひどかったわね。……そして、素晴らしかった。」

……

「私、今思ったんです。生きている人たちには分からないことがあるって。そうでしょう?」

「そうね。ほとんど分かってないわね。」

……

ソートンワイルダー作「わが町~三幕~」。

魂の故郷に帰ったようなそんな芝居だった。

私が死ぬとき、何が見えるんだろう。何が分かるんだろう。