衣装プラン2006年12月02日 18時04分23秒

イメージは…「とげられなかった思い」。

 真っ黒なウェディングドレス。
 瞬間的に、下に着ている真っ赤なドレスがのぞく。

12/17の「白樺八青ドラマティックライブ」。
演出のこかチちかこさんのイメージです。

今日は、そんな鮮烈な(?)イメージを胸に秘めつつ、
舞台監督の佐野千秋さんと、衣装担当の荻野智美さんと、
衣装の材料探しに大須へ。
集合場所は、迷い子にもやさしい「大須観音」境内でした。

ちょっと早く着いたのでお参りをしようと階段を上がると、
無心に手を合わせている女性がひとり。
横顔を見ると智美ちゃんでした。
しばらく見ていたけど、なかなか顔を上げないので、
私もお賽銭を投げ手を合わせる。

 ところで…、
 こういう時って、みなさん「お願いごと」をしますか。
 私はいつも頭の中が空っぽなんです。
 初詣で「今度こそ何かお願いしよう!」と意気込んでも、
 手を合わせるとなーんにも出てこず…、
 けっきょく頭の中は空っぽで手を合わせることに。
 流れ星を見つけたときも同じです。

そんな話は置いておいて…。
千秋&智美ちゃんと大須アーケード街の古着屋を回る。
もともとファッションやウィンドウショッピングに興味のない
千秋ちゃんと私はスイスイ素通りしてしまうのですが、
智美ちゃんは、裏側に掛かっているドレスまで一瞬で見つけてしまう。

私がボーっとしている間にも何点か見つけている。
これは、嗅覚か視覚か…第六感か…。
本当に…人はそれぞれの才能を持っているんだ、と痛感する。

黒と赤が基調なので、基本の黒を捜す。
黒のスカート、黒のドレスなどなど。

 お客様がさいしょ「ああっっ!」と驚き、
 なおかつ見飽きない衣装がいいな。
 無責任な希望を出す。

この、ありきたりのドレスがさとみマジックで大変身するのだ。
それがとても愉快なのです。

みなさま、どうぞお楽しみに!

再生紙を使用していますっ!!!?2006年12月05日 17時28分03秒

とんでもないウソツキに加担することになってしまった。

ボランティアで頼まれている印刷物のデザインの《隅っこ》に、

“これは再生紙で作られています。”の文字を入れて欲しいと言われた。

「え?再生紙で印刷しないですよ」と言うと、

「いいのいいの。形だけだから。」だって。

信じられない!

お役所がらみだけになおさら許せない。



《片隅に》《小さく》…なら許されるとでも思っているのか。

相手は困るかも知れないけど…、

この仕事は断ろうと思っている。

何で、こんな意味のないウソにつきあわなきゃいけないんだ~!



私は今、自分のライブと教室で一杯一杯なのですよ。

あ~、そういうことね!2006年12月06日 00時17分31秒

で、

「再生紙でもない紙に“再生紙を使っています”なーーーんて文字は


ぜーーーーーったい入れられないーーーーー!」


と伝えようと先方に電話しました。


ついでにこの面倒なお仕事も免れるか…という下心も手伝って。




「えー、あの再生紙使用の表示を入れないと絶対いけないんでしょうか?」


「そうなんですよ~。あれ入れないと議会で突っ込まれちゃうんですよ~」


「議会で?!…あの、私、こんなウソに協力したくないので、

辞・め・さ・せ・ていただきます!!!」


「あ~、そういうことね!じゃあ、再生紙を使って下さい。」


「へ?」


「再生紙で刷って」


「はあ」


なんか、とっさにことばが無くて、その電話をきった私でした。



やっぱりこの面倒な仕事は、そのまま抱えることになりそう…。



せっかく応援してくれた皆さん。情けない私でごめんなさい。

トホホ…。かっこわるぅ…。

助手席2006年12月07日 23時32分51秒

ある女性が言っていました。

「女性は助手席に坐るものよねっ。
だから、女性にハンドルを握らせて、
助手席でふんぞり返っている男性を見ると、許せないわっ!」

その人は小さなころから信じて疑わなかったそうです。
『女子は助手席に坐って、男子にどこかへ連れて行ってもらうもの』。
そして、40代になった今もそれを貫き、
運転するのはよほど必要に迫られたときだけだそうです。

ふと、自分のことを考えました。
とんと助手席には縁がなくなったなあ、と。
まあ、パートナーが免許を持っていないのでなおさらですが。

そして、自分がだんだん「男らしく」なっているのに気づきました。

大昔、助手席に何の抵抗もなく座っていた自分がいたはずなのに…。

今は…助手席なんて…「受け身」なポジションはいや~!

ホント、このごろさらに、男っぷりが上がってきたかも知れない…。

これは、さらに加速度をつけそうです…。

ドラマティックライブ2006年12月10日 14時12分28秒

あ~~!ようやくちゃんと告知が出来ます。

自分で腑に落ちないと、人に勧められない性格なので。

昨日、ささはらなおみ嬢&林敬子嬢とのリハで、流れをつかみました。

うん!おもしろい!これはきっと、おもしろい!


まだセリフを足そうと思うところもあります。

その辺は、ギリギリまで悪戦苦闘でしょうね、きっと。


昨日から体調がイマイチで、今日はあまり動かずにじっとしています。

幸い、お仕事も無し。(うまくできてるなぁ、ホント)


……お客様を呼ぶのが一番苦手な私。

そう思われないんだけど…、押し売りは出来ないタチなんです。


本当はチケットなど売らずに、見てもらい聞いてもらってから、

木戸銭を箱に投げ入れて帰ってもらうスタイルが一番合っているんでしょう。


ま、とにかく、来て下さいな!
お願いします!お待ちしています!


◇白樺八青 ドラマティックライブ
◇日時:'06年12月17日(日)午後1時&5時開演(二回公演)
◇演出:こかチちかこ(モダンダンサー)
◇共演:ささはらなおみ(ピアノ)
    林敬子(マリンバ・パーカッション)
◇会場:長円寺会館2F 名古屋市中区栄2-4-23
TEL 052-231-0955

◇演奏曲目:
      「秒針」 ※美口啓子書き下ろし
      「石狩挽歌」
      「ボンボヤージュ」
      「Why」
      「赤いスイートピー」
      「お定のモリタート」
      「私が一番きれいだったとき」(詩) 
      「箱の中の大事なもの」(詩)
      「アカシアの雨がやむとき」
      「朝日のあたる家~朝日楼~」
      「秒針~エピローグ~」

舞台監督には、佐野千秋さん。
衣装には、荻野智美さんiさん。
書き下ろしの曲「秒針」を作ってくれたのは、
作詞・作曲のパートナー美口啓子さん。

このひとたちも、みんな素晴らしい仲間です!

お定のモリタート2006年12月14日 00時06分14秒

クルトワイルの“モリタート”と言えば、
二十数年前に「三文オペラ」の冒頭で歌った思い出があります。
この曲が「三文オペラ」からひとり歩きして、
すごい歌になっているのを知ったのは、十年近く前でした。

歌手・クミコさんのツアーに同行したバイオリニストの友人が、
彼女の歌にとても興味を持ち、
彼女のCDを自費で買ってわざわざ送ってくれたのです。
今は入手も難しいというアルバム「世紀末の円舞曲」。

聴いてショックを受けました。
同じ(…と同レベルに置くのは失礼ですが…)歌い手として、
この表現力、このギリギリの上品さは何だろう、と。
そのアルバムの中でひときわ強烈に光を放っていたのが、
この「お定のモリタート」でした。

作詞は佐藤信さん。
もしかして…、'75年ごろの黒テントの「阿部定の犬」で歌われた
「包丁お定のモリタート」が元の曲かも知れません。

そう。これは、あの「阿部定事件」のお定さんの歌です。

少しですが、歌詞をご覧下さい。

…それから包丁 暗く光る 刃かざし優しく
心を込めて あんたのあそこ あたしだけのものにした

流れる血に指をしめし あんたの腿になすったの。
定、吉、フタリキリ 書きながら泣けたわ…



以後、私も場所を選びながら、
ぽつぽつと「お定のモリタート」を歌ってきました。

この歌、女性にはなぜだか人気があります。
男性は、たいてい…ノーコメントです。

私も女性ですからわかりませんが、
やっぱり男の人は、聴くだけで「痛い」んでしょうか?



今回のライブでも、
公判記録の彼女の供述をセリフとして入れました。

女性からは「私だって、やっちゃうかも知れない」と、
微量でも共感をもらうこと。

男性からは「ううううーむ、この状況なら仕方がないか?」と、
一瞬でも思ってもらえること。

今回のライブの目標です!

「やだ~このひと!」で終わらせないよう、
なんとか深い表現が出来たらいいな、と思います。

幸せです2006年12月19日 00時19分55秒

爽やかな気持ち。

悔いはない。

極度の疲れもない。

滅入るような反省もない。

無理も、無駄も、無茶もなく力を出せる舞台だった。

ものすごく自由に飛べた。



涙も

笑いも

やり場のない怒りも

崇高な気持ちも

人をあやめる衝動も

すべて人の業。


そんな表現がしたいと思っていた。




私にしかできない、私らしい表現を求め、

たどり着いた小さな場所。


これかな。

小さな空間が好きなんだ。

繊細な表現が好きなんだ。

それでいて大胆な表現が好きなんだ。


一緒にいてくれた仲間にありがとう。

さまざまな予定の中でこのコンサートに来て下さったお客様にありがとう。

来られなくてもメッセージを下さったたくさんの人にありがとう。



今、幸せなきもちです。

白血病2006年12月22日 21時33分53秒

二日前のことでした。

とても大切な友人からの手紙でした。

いつもは丁寧な筆文字が、ボールペンでした。

病院からでした。



「病名を書くともうだめかもしれないと思われそうですが。」

と前置きがあった後に、

「急性骨髄性白血病」と書かれていました。



冗談でしょ。

私は首を振りました。

目をつむって気持ちを落ち着かせてから、もう一度読み直しても、

やはり病名は同じでした。



「半年間はゆっくり休ませてもらいます。」とありました。

半年かけてガン細胞をなくす治療ということでしょうか。



二ヶ月前、お芝居のために資料を集めて学んだ病気が目の前にあります。

その治療は、とても筆舌に尽くしがたく苦しいと言われます。



手紙の最後は、半年後の緑萌え出でる季節、

前から約束していた「本作り」に協力して下さい、と結んでありました。



来夏、あなたとのお仕事を楽しみに、治療の成功を祈り続けます。

ソレアード~December 1995~2006年12月25日 00時24分31秒

クリスマスツリー きらめいて にぎわう人の群れ
幸せに満ち足りた 笑顔とはずむ声

メリークリスマスソング 鳴り響く 街角 その隅で
どこからか 歌声が 哀しみの色に変わる

空を超え 海の彼方 かすかにここに届く
幼い手 澄んだ瞳 さいごの時の涙



銃弾の中にさえ 孤独や飢えにさえ
子供らは 生きる力生みだし 笑顔見せる

子供らは 生きる力生みだし 笑顔見せる


今は夢 夢だけど
世界の子どもたち
ひとり残らず声あわせ 一緒に歌いたい

クリスマスツリー きらめいて
メリークリスマスソング 鳴り響き

ひとり残らず 涙を忘れて 一緒に歌いたい

一緒に 歌いたい

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Liric by YAO SHIRAKABA
名フィルクリスマスコンサートにて初めて歌い、
以後この季節には、様々な場所で歌ってきました。

眠っていた着物2006年12月27日 12時57分20秒

大学を出て、すぐのころでした。

ある日、着物が欲しくなりました。


両親は「振り袖買うより免許とれ」というタイプだったし、
成人式にも出なかったし、
芝居をやっていると、なかなかお茶やお花を習うヒマもなく、
出発がミュージカルだったせいか伝統芸能ともご縁が薄く、
当時、着物と出会うチャンスが本当になかったのです。


でも、急に着物が欲しくなったのです。

今のように、アンティーク着物などもないし、
古着も出回っていなくて、
呉服屋さんに飛び込み、いきなり選んでしまいました。
言ってしまえば衝動買い。
奇抜な柄でも何でもなく、普通の訪問着でした。

生まれてこの方、
多分いちばん値の張る衝動買いだったと思います。
とうぜん分割払いでした。



あれから25年…。



この間、仕事で和服が必要なときには、先方で用意していただくし、
プライベートではあいかわらずドタバタの生活、
和服を着る余裕のないまま、
その着物はずーっと眠り続けていました。

そう、なんと、広げることもなかったのです。
かわいそうな着物…。


ある日、来年松の内に開かれるコンサートの司会のお話が舞い込みました。

「和服でお願いします」


わあー!すてき!えっ!でも、どうしよう!

その時点で、あの着物のことは、頭にまったく浮かばなかったんです。

購入も考えましたが、納得いくものを買うにはかなり思い切りが必要です。

レンタルをいくつも調べては…いまいちだなぁ…と、ため息。


そこで「はっ」と、あの着物を思い出したのです。


さっそくクローゼットの棚に置かれた一式を出してみました。

収められた箱は全部色あせて黄ばんでいます。

「ムシが食っているかなぁ」

「まさかこんなに長いこと放りっぱなしで、
 急に着たいと言っても…着物さんは怒るだろうなぁ」

不安になりながら箱を開け、包まれた薄紙を開くと…

中の着物はあの時のままでした。



あの、若かったころの自分の思いが、絹の匂いと一緒に立ちのぼります。


新年、1月6日、この着物と一緒に舞台に上がります。