祖母の着物を…2007年06月04日 22時40分36秒

今年の3月4日、
父方の祖母、正子おばちゃんが亡くなりました。

長いこと世田谷でひとり気丈に暮らしていましたが、

寄る年波には勝てず最近は八王子の老人施設に入っておりました。



叔母から電話をもらって間もなく、あっけなく旅立ったそうです。

自我が強く、自分の思い通りに生きたおばあちゃん。

眠っているようなきれいな顔だったそうです。

104歳。

誰が見たって、長生きです。




その祖母が大事にしていた着物を叔母が送ってよこしてくれました。

せっかくの形見とはいえ…、

小柄な祖母と私では着丈がぜんぜん合わないし、

どうしようと考えるうちに、

「舞台衣装にしよう」と思い立ちました。



ちょうど有松絞の開祖、
竹田庄九郎邸での朗読公演が決まっていました。

あそこで、この着物を使えたら、
着物好きなおばあちゃんはきっと喜ぶだろうな。

そんなことを思いながら。



荻野智美さんにお任せしました。

彼女らしい大胆な発想で、

まったくハサミを入れずに、まったく違うものに変身させてくれました。



これを見たらお客様…驚くだろうなあ…。ふふふ。

おばあちゃんも楽しんでくれるだろうなあ…。



6月10日、その衣装で「伊勢物語」を
これまた大胆な現代語訳も加えて朗読します。