迷い子のように2012年03月11日 15時30分11秒

数日前のこと

ふと思い立って
東日本大震災で
亡くなられた人々の
名前を
プリンターで印刷した

一締めの紙では
とても足りなかった

ひとりひとりの
ありふれた
日常が

地震と
津波と
原発事故と
心労で
失われた

そして
その日常は
まだまだ
とうぶん
帰ってくる
見込みがたたない



震災から一年が過ぎた


とか

連帯
とか

いのち
とか

叫ばれるわりに

原子力発電所は
まだまだ
だれかの利益になっていて
守ろうとする
再開しようとする
人がいる

「一日も早い復興を!」
と言いながらも

そのために
なんとかしなければいけない
膨大な家々や思い出の“かけら”たちは
手つかずのまま
瓦礫と化している


ある場面と
違う場面で
まったく異なる表情を見せる
多重人格な
人々

どこへ向かい
どう進もうとしているのか

ひとりひとりが

迷い子になりそうな
この国