表現する幸せ2005年11月27日 13時40分54秒

昨日は「ドラマティックライブ」だった。
リクエストをもらって歌うという趣旨だったが、
いざ内容を詰める段階になると、構成がなかなか難しい。

そこでそれぞれの歌に、さらにドラマを広げて語ることで、
コンサートを一つの川の流れのようにした。
お客様は、その流れに身をゆだね、
川面を見つめたり、時には水に手を浸したり、遠くの山々を眺めたり、
そんなふうに時間が流れてゆく。
拍手をする必要もない。

その日の朝、大切な友だちを見送ってきた、という人からは…、

『“喝采”を聞いていたら涙が止まらなくなっちゃって・・・困った。
友だち夫婦のなれ初めは高校時代の同級生。
なんとなく後の曲にも繋がっていて、
「想い出のなかの人」になった彼はきっと私たちと一緒に聞いていたと思います。』

と言うメールが来た。
きっと「卒業写真」や「海を見ていた午後」、「涙そうそう」も、
みんなその彼の思い出に重なったんだろう。

一番強く印象に残ったという歌がみんな違うのも面白かった。
「夢で逢えたら」、「秋桜」、「ボン・ボヤージュ」「いつか王子様が」…。
人生経験を積んだ方からは「ボン・ボヤージュ」の支持が強かった。

何を見るときも聞くときもそうだけれど、
人生経験の模様によって琴線に触れるところがみんな違うんだなって。
絵を見ても、映画を見ても、もちろん音楽も、詩や文学も、演劇も、
自分が歩んだ道のりで何を感じ、何を大切にしてきたかで、
みんな違うんだな、って…。