主張2006年10月02日 08時12分37秒

 正しいことを言うときは
 少しひかえめにするほうがいい

 正しいことを言うときは
 相手を傷つけやすいものだと
 気づいているほうがいい



有名な吉野弘さんの「祝婚歌」の中の一説です。



この一説を 伝えたい人がいます。


でも、そう思う人に限って、

この一説を伝えることは難しいことなのです。



その人は、「何故こんな正しいことが分からないんだ」

と空回りして、また声が大きくなります。



しかし、相手をねじ伏せて正論を聞かせようとしている人は、

人の心が離れていることすら知るすべがないのです。



声を大きくすればするほど、

心は加速度をつけて離れてゆくのに…。

舞台2006年10月19日 09時01分00秒

平台や板切れたちが運び込まれ

カナヅチとノコギリで組み立てられ

ひとつの世界が創られてゆく

照明がいくつもつられ…


やがて浮かび上がるのは

蜃気楼のように

日常から遮断された世界


かつてのわたしは

現実があまりに虚構すぎるから

舞台に真実を求めていた


じゃあ 今のわたしはどうだろう

 

この数日間

身をあずける世界は

わたしにどんなものを残すのだろう


そして 終演の幕が下りたときに

二度と会うことのできない

この世界と時間に なにを思うのだろう

作り手として2006年10月23日 07時51分48秒

●台本を書くにあたって心したこと。

・フィクションにした方がいい部分も、

 セリフや状況設定も含め、できるだけ事実に忠実に基づくこと。

・サキちゃんが病室でひとりで窓の外を見つめている光景を描くこと。

・小さな体で骨髄液を二度も提供した「お姉ちゃん」の姿を描くこと。

・お姉ちゃんの「寂しさ」も描くこと。

・さいごに作文「学校って楽しいね」を読むこと。

・サキちゃん役を一人の役者に限定しないこと。

・家族の懸命な姿を浮かび上がらせること。

 などなど。


●チラシを作るにあたって心したこと。

・うしろ姿のサキちゃんを描くこと。

・イラストレーターの水野真人さんの中の、
 サキちゃんのイメージを大切にすること。

 などなど。



●詞を書くにあたって心したこと。

・サキちゃんへの感謝の気持ち、尊敬の気持ちを素直に言葉にすること。

 などなど。


●役者として心したこと。

・お母さんの気持ちにできるだけ寄り添うこと。

・時間経過と状況の変化をからだ中で表現すること。

 などなど。



○最終的には私は役者です。あらためて感じました。

芝居って生きものだなあって感じました。

4回とも変わるんです。

「サキちゃん」…「サキ」…呼び方ひとつもどんどん変わる。

ただ状況を説明する言葉でも、感情の変化によってどんどん変わる。

わかりきっていたことではあったけど、

あらためて、すごく発見がありました。



燃え尽きちゃった感じではありますが、
少し休んだら、また次の一歩を進めなきゃ。

見上げれば2006年10月26日 15時34分22秒

秋の空が

せつない色だと いまごろ気づきました



夏の日に

あんなに近くにあった雲が

一瞬の 思い出のように

細かく細かく ちぎれながら

高く

遠く

流れていきます



どこまでも広がる空を見上げながら

あの

夏の輝きを

ひとり 思っています

本質2006年10月30日 00時24分34秒

ときどき

ややこしい事態が生まれ

まわりも自分も 心がざわつくときがあります


そういうとき

自分に問いかけます

いちばん大事なことはなに?

本質は?




そうすると

ややこしそうに見えていたものが

本質とは無関係のことだと気づきます



残るのはとても単純なこと…


心を向け

心を込め

心を注ぐ


伝えたいこと 
伝えたいひと

表現する自分 
同じ空間で向かい合ってくれるひと


見返りを求めない

ただ



こうしていられることを

祈るように感謝する



どうでもいいことの方が

つけっぱなしのテレビのように

大きな音を立てます


静寂の中で

自らの心の声を聴くことは

大きな平和をもたらしてくれるのです