納豆2007年01月22日 00時50分28秒

名古屋に、50年前には納豆はありませんでした。

わが母が証人です。



父と母、手を取り合って名古屋に移り、

最初にさがしたのが納豆。

そう、糸引き納豆。

朝の食卓に無条件で存在していたあの納豆。

どこへ行っても、ない!ない!ない!


「な・っ・と・う・く・だ・さ・い」(さがし疲れている)

「これきゃーも?」(けげんな顔で)

差し出されるのは、いつも「甘納豆」。

こ、これは!!…ほかほかご飯にのせられなーい!


納豆がない。

母は…名古屋に来たことを、密かに悔やみました…。

…かどうかは、とくに聞いていません。



今や日本全国どこでも納豆が食べられます。



あるある…ないない!(ばんちょさんの日記のパクリ)


なんだか納豆が世間を騒がせ、

品切れやら値上がりやら大騒ぎだったそうな。


納豆で痩せません。

朝晩、しっかり混ぜて、20分おいてから食べても、

それだけでは…たぶん痩せません。


まあ。からだに悪い食べ物ではないでしょうけど。

昭和のエンペラーを描いた映画2007年01月22日 16時06分15秒


「あれ!王様ってなんにも着てないよ!」

しがらみにも風習にもとらわれず自由に、

“王様が裸だ”と真実を口にすることが出来る少年…が好きです。

そして、…出来ることなら、私もそうありたいと思います。

みんなの暗黙の了解…タブーを壊す勇気を持ちたいです。

それは伝統や歴史を壊すことではなく、

力による不条理な押しつけや、

民衆を黙らせるために作られた慣習などを打ち破る勇気です。




ひと言で言えば…すごい映画でした。

「太陽」



デリケートなテーマゆえに、映画館も及び腰なのか、

名古屋では現在、単館でレイトショーのみの上映です。

まあ映画としても、かなりしぶーい作品ですしね。



あくまで昭和天皇のプライベートな姿をここまで描いてしまうとは。

私は好んで皇室カレンダーを部屋に飾るような者ではありませんが、

でも、どこかで、この国に生まれ育って、

「現人神」の続きを見続け、刷り込まれていたことにハッとしました。

そう、そういう意味で日本に生まれ育った日本人には、

根本的に創れない映画でしょう。



アレクサンドル・ソクーロフ監督はロシアの奇才。

この「太陽」は、

ヒトラーやレーニンを描いてきた3部作のひとつとして、

これまで誰も描かなかった昭和天皇をテーマに据えた作品です。


主演、天皇役はイッセー尾形、

皇后役は桃井かおり、

侍従役に佐野史郎ら、芸達者な役者陣。


イッセー尾形は、立ち居振る舞い、話し方、遠目に見たときの姿形まで、

見事に研究し、再現していました。




この映画は、どこか一方向から見ると期待はずれでしょう。

「えー!昭和天皇ってそんないい人だったの?」

とも感じられるし、


「えー!昭和天皇のそんな人間くさいところなんて見たくないー!」


と感じる人もいらっしゃるかも知れません。



少なくともこのアレクサンドル・ソクーロフ監督は、

個人的に昭和天皇に対して、非常に好意的だと思いますが。



ラストシーンは、戦況の厳しさに大いに悩みながらも、

戦火も見えない場所で淡々と過ごしていた天皇の日常から、

敗戦直後のこの国の人々が混乱の中で立ちつくす…、

そんな姿を一瞬に象徴してあまりある静かな衝撃でした。




信じて疑わない目の前の姿も、

見方を変えれば正反対になったりする…。

自分以外の99人が見える!と言いきっても、

王様の着物が見えなかったら、「見えない」と言いたいです。